これは、アジアオーストラリア地域で初めての RSE [Research Software Engineer の略] のカンファレンス (以降 RSEAA) の体験レポートです。 RSEAA は、2022 年 9 月 14 ~ 16 日に Zoom Events で開催されました。
RSE は Research Software Engineer の略称です。 RSEの定義を知るにはこのリンクを参照してください。 アンカンファレンス とは参加者同士が主体的に議論するスタイルのカンファレンスのことです。
RSEAA のアンカンファレンスは、 通常のカンファレンスのようなキーノートスピーカー+パネルディスカッションと、 アンカンファレンスがミックスされたスタイルで開催されました。
キーノートスピーカーとパネルディスカッションについては録画物をYouTubeで見ることができます。
RSEAA には3人のキーノートスピーチがありました。 私は Mars と Anne のスピーチをライブで聴講しました。 私は Jess のスピーチは仕事の都合でライブで聞くことはできませんでした。
ここでは Mars と Anne のキーノートに関する感想を述べます。
Mars は Quansight のテクニカルイラストレーターです。 Mars は RSE としては少し変わったキャリアパスの持ち主であり、彼女はそれをこのキーノートスピーチで紹介していました。 Mars のトークは、RSEコミュニティの包括性の向上に役立つすばらしいトークだったと思います。
Mars のスライドは、この GitHub リンク にあります。
Anne は The Turing Way のコミュニティマネージャーです。 Anne のトークは彼女のキャリアの歴史、彼女が学んできたこと、そして今関わっているプロジェクトを紹介するものでした。 Anne は主に The Turing Way を通して再現性の改善や研究のオープン化において、平等、多様性、包括性といった目的をどのように実現しようとしているかを説明していました。 日本では Anne のようなオープンサイエンスコミュニティのためのコミュニティマネージャーはいません。 そのため、それは貴重な機会でした。
キーノート以外のパートはアンカンファレンス形式で行われました。 ここではそこで行われた議論のテーマを箇条書きします。
上記の各テーマを見て、あなたはどう思われましたか? おそらくどれも普段疑問に感じている、しかし身近に相談する人がいない、と思うことではないでしょうか? それはまさに私も同じであり、このアンカンファレンスに参加して 「こういったテーマを議論できる場(コミュニティ)が世界には存在するのだ」ということを知り、感銘を受けました。
RSEAA はアクセシビリティに対する配慮が優れていました。 私は日本人であり英語が得意ではありません。 ですが RSEAA では Zoom の live transcription 機能が有効化されており、英語を聞きとることについては不自由がありませんでした。 日本人の多くはリーディングはできますが、リスニングとスピーキングができません。 RSEAA がアクセシビリティに関して準備した内容の詳細はこのリンクを参照してください。
もしあなたが英語が苦手だからという理由で RSE コミュニティへの参加を避けているのであれば、恐れを感じる必要はありません。 RSE コミュニティは包括性に対する配慮をしてくれるコミュニティです。 ぜひ安心して参加してみてください。
ここまで読んでいただいて RSE コミュニティに興味を持っていただいた方は International RSE Survey 2022 をぜひご覧ください。 それはこの RSEAA の期間中に公開されたばかりです。 そのサーベイ結果を見ることは現状把握と今後を考えるのに役立つと思います。
最後に、RSEAA を運営してくださった主催者の皆様に感謝いたします。
For attribution, please cite this work as
孝三 (2022, Oct. 7). RSE Asia Association: RSE Asia Australia Unconference 2022 体験レポート. Retrieved from https://rse-asia.github.io/RSE_Asia/
BibTeX citation
@misc{孝三2022rse, author = {孝三, 西田}, title = {RSE Asia Association: RSE Asia Australia Unconference 2022 体験レポート}, url = {https://rse-asia.github.io/RSE_Asia/}, year = {2022} }